2009年10月31日

感性・色・自然・文化

昨日で3週間におよぶ京都からの職人・アーティストのトスカーナの企業での研修も終わりました。3週間もある一つの企業にいて、研修ってのはなかなか面白かったのでちょっと総括を。


まず一週目。まず初日はどんなコレクションをしてるのかを見せてもらう。ここは寝具としての毛布や、ひざ掛け、ベッドカバー、そしてマフラーやショールなどウールを中心に作っている中小企業。いわゆるトスカーナらしい企業でした。去年のコレクションの見本をずっと見せてもらって、だいたいのイメージをインプット。そして出された課題は、来年の秋冬用に提案できるものをっていう、ものすごくアバウトなもの。(笑)いちおう、デザイナーのエンリコさんから、このひざ掛けの色合いを考えてくれとはいわれたものの、特に何の規制もなし。(笑)彼の考えている来年の秋冬の色見本を見せてもらって、別室でほったらかし。。。クリエーターのみさちゃんも「どーしたらいいですかねぇ?」と困惑気味。でも、イタリアって結構そういうもの。デザインとかそういうのって、ものすごく個人的なものだから、イマジネーションを自分でどんどん発展させて、どんどん提案したらいいんだよと答えてみる。実際、こちらから質問したり、どう?って聞いたものについては、丁寧に答えてくれるわけ。ただし、たまーーーーーーーーーーーーに様子を見に来るだけ。(爆)

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以前に作ったものの資料室やら、いろんな図案集も見せてもらうのだけど、逆にあたまがこんがらがって、どう提案していいのか、どういうふうな生地でどういうものができるのか、落ち着いて資料を選ぶために、会社に行かないでネットのできるホテルでの作業や町の中に出てウインドーをみたりということも結構しました。だって、会社にいっても、結局自分の頭をフルに活動させて、提案できる図柄や色をくみあわせていくのだから、どんなものがあるのか、イタリアらしさや、逆に日本らしいものを新しく提案するには、自分の目で見て、それをアウトプットしていかないといけないわけですよ。この週はまずその色のチョイスから。わかったのは、意外とイタリアだからって、なんというかいわゆるイタリアンカラーのようなビビットな配色が少ないということ。結構落ち着いた色味のもので、色の数も少ない。友禅などの着物の配色や、着物の生地で作るアロハシャツなどのデザインや染色をしてた彼女には意外な発見。でも、イタリア、夏とちがって、秋から冬にかけてはとても柔らかな日差しで、その中で見る自然の色は、とても落ち着いたオトナなイメージ。ウールを生地にするこの会社では、そういうトーンの色を使っていくんじゃないのかな、と発見。でも、和柄というか、それに使う配色って結構原色同士が多かったりして、いまさらながら驚き。彼女はCecchi&Cecchiの商品やエンリコさんの色のチョイスを見て、とてもナチュラルで、そして外界としての自然の色にとてもマッチしているといっていました。彼女的には、イタリアの色ってプッチのようなビビッドな色合いを想像していたので意外だったようです。でもたしかに挿し色としてビビッドなものはあっても、イタリア人の選ぶ色ってわりかし黒やベージュなどベーシックな色が多いのは確かだよね。


二周目は、お願いしていた染色の工場や、それ以外の外注の工場の見学。トスカーナの織物工業は、フィレンツェの隣町、プラートを中心に栄えていたのですけど(今はかなり斜陽気味。。。)そういう工場というのは、本当に家族経営の小さなもので、それぞれが、それぞれの工程スペシャリストなんです。マフラー用に生地をきるところ、フリンジをつくるところ、端の始末用のステッチをするところ、など、そんなところまで細分化しているんです。すごすぎる。。。あたしたちがお世話になったCecchi&Cecchiは、自分の工場ではジャガード織りの生地などを少しだけつくってるんだけど、あとは全部そういう小さな会社との連携でものづくりをしているところでした。でも、こういうサークルというのは、価格競争や大手の参入など、そういうので現在とても苦しい立場にあるようで、それを目の当たりにして、とても心が痛みました。みんなすごく明るいんだけどさ。。。京都も(彼女は染屋さん系なのだけど)同じような状況のようで、それもとても感じ入った要素だったようです。
デザインとしては、あたらしく、和柄(桜の柄)を取り入れたものを作りたいと提案。それにどういう生地だったら彼女のアイデアを実現できるかを話し合い、生地と色見本をチョイス。染が専門の彼女は、毛糸の種類や織りかたで、立体的に生地を作ることがとてもおもしろくて、フェルトにしたり、毛足の長いモヘヤをつかったものをどんどん提案。エンリコさんもふん、ふん、と聞いて、実現できるようにサポート。でもここでおもしろいのが、絶対に「これはだめ」とか「このデザインはあわない」などとは言わないこと。おもしろがってくれているのか、あっさりと提案を受け入れてくれたことにびっくり。

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そして3週目。同じ図案をつかって、クッションのカバー、ショール、そして毛布になるものを、少しずつ素材や織りを変えながら考案。

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最初はよそよそしかったエンリコさん、実はシャイだっただけということがわかり(爆)このころから、なんだか陽気になりました。こういうイタリア人もいるんだよね。あはははは。


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そして突然、夕方からアウトレットにくる団体のお客様を迎えるためのショールームのディスプレイを頼まれる。場所をここって指定されて、あとはなんの指示もなし。(笑)あ、いちおうマフラーとショールというのがあったか。周りを見て、チョイスされていない赤〜オレンジ系統で配色したみさちゃん。何度か日本でディスプレイを経験したことはあるものの、ほとんどはじめてのことなので、色をあわせながらディスプレイしたのが左。

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いちおう全部終わった段階で、エンリコさんにチェックをお願い。ちょうど昼だったので、ランチを食べて帰ってくると彼に呼び止められる。「こういうのはホントに主観的なもので、感覚とか、そういうのだから、なぜというのははっきりいえないし、これが答えって言うのもないんだけど、僕としてはちょっと変えたいんだよね。それって彼女のことを傷つけたりするかな?」なんて繊細なイタリア人!!!!!でも、違った角度での提案は、彼女のためにもなるからなおしてあげて、と彼女を呼んできてエンリコさんの提案(右)を見学。左は一つ一つの商品が浮き出て見えるポップな元気なかんじ。右は色のトーンがばっちりあって、落ち着いたまとまったかんじ。今回は特に、どういう方たちがショッピングにいらっしゃるか(お医者様の奥様集団だったんです。しかも年齢層高し。。。)というのも頭に入れながら、そして何よりも、色のトーンをあわせるということ(同じオレンジでも青みがかったもの、茶色っぽいものなどいろいろあるわけですよ)を目で見て確認。


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そして作業も大詰め。期限内に提案できるものを完成させて、デザインした紙と色のチョイスを書いた表を渡してきました。いかんせん、ほとんど外注なこと、織物というのは、縦糸を張るのがとても大変なので、その糸がはられているときに、その色の縦糸でつくるものを続けて作ることなど、今回のデザインしたものをすぐに実現(サンプルで)はできないのだけど、全部とは言わないけど、極力たくさんのサンプルをあげてみるよ、と約束してくれました。あたしもちょっと色のチョイスとかに参加したりして、今年も個人的に楽しかったです。ただ、はじめの週でもっと毛糸の種類や、その性質、織り方の方法や特殊性などをレクチャーしてもらっていたら、もっといろいろと提案できたかも。まあ、そのつどそれについては教えてもらったので、結局はとてもためになったようですが。彼女が織物について、もっと勉強したいといってくれたことが何よりでした。


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そしてあたしのCecchi&Cecchiでの最終日、またお買い物。(笑)普段使いのマフラーとニット帽を。彼女ともう一人の派遣デザイナー、そして彼の通訳のメイちゃんも、昨日の最終日にアウトレットでかなりのお買い物したそうです。お得意さまになったみたい!(爆)あ、アウトレットは10時から19時まで。土曜日も14時までは開いてるっていってましたよ。



ってなことで、これから報告書つくりっす。





posted by yossy at 20:59| ローマ | Comment(0) | 深夜のつぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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