2010年07月02日

税金と報道

昨日の午後15時にローマで新生イタリア代表監督のお披露目がありました。その名も「チェーザレ・プランデッリ」そう、昨シーズンまでフィオレンティーナの名将だった彼です。。。まだワールドカップも終わらない5月の終わりに次の代表監督はプランデッリと、イタリアサッカー協会から突如発表。水面下ではそういう話があるのを知っていたとはいえ、そういう突然の公式発表を事前に知らされていなかったフィ折れんティーナは抗議したんですよね。とりあえず、無様に散ってしまったイタリアのワールドカップはあっという間に終わり、あっという間に新しいチームの召集です。8月の頭にあるコートジボワールとの交流戦に向けて、いちからやり直しだもんね。。。2年後のヨーロッパ杯の予選が8月の終わりから始まるし。プランデッリの目標はとりあえずヨーロッパ杯での予選リーグ突破だそうです。ずいぶん控えめな。。。でも給与はリッピよりも20万ユーロくらい多いんだとか?ま、ガラッと選手が入れ替わるだろう新生代表チーム、あまり期待しないで応援しましょう!


さて昨日の政治話の続きです。イタリアでの2009年の銀行強盗はなんとヨーロッパ全体の約半分に昇るそうです。全体が4150件に対し、イタリアは1744件だそうです。2010年も記録更新中。。。(爆)フィレンツェでもちょっとした銀行や郵便局の銀行強盗なんて話題にも上りません。。。(汗)そんなイタリア、2009年の統計で、税負担がかーなーり増えてることが判明。いまやフランスと並びヨーロッパ5位。ちなみに平均給料はヨーロッパの中でも最低に近いです。っていうか東欧を除いたいわゆる旧西ヨーロッパでは最低かも?あ、でも、国会議員の給与はヨーロッパで一番高いらしいですけどね。そんな税負担が増えたイタリアですが、教育・文化面においては国の予算が毎年バッサバッサと切り捨てられています。。。なんと今年は昨年の半分にまで削られるのではないかというはなし。イタリアといえば、音楽や美術といった芸術大国として世界有数の国だったはずですが、それもあと何年語ったら過去の話になっているんでしょう。いや、もうすでにそうかも。。。大学の研究費はもともとないに等しいイタリア(優秀な学者志望の子達はさっさと国外逃亡しています)ですが、義務教育である小・中学校も午後の授業がなくなったり、9月一杯夏休みになったり、義務教育事態の期間が短くなるという、ここで子供を生んで育てることに疑問を覚える今日この頃。しかもそれに比例して高校卒業のための全国統一模試はものすごく短く、だけど難易度はまし、パスできない(授業が追いつかない)子供が続出だったみたいで。あ、そのうち高校も全て私立化するらしいですよ、イタリア。

税負担(2009年度分なのでこの場合は税収入といえますね)が増えたもう一つの原因はScudo Fiscale。海外に預金している企業がお金をイタリアに戻したら、それがタックスへブンなどでの違法預金だったとしても、全体の5%払えば罪にとわれず、って法律です。(笑)国のお金がスッカラカンのイタリア、税金が馬鹿高くて困るらしいイタリア大企業は、かなりのお金を海外に預金して納税を免れていたんですけどね。タックスへブンはマネーロンダリングの温床なんですけど、違法なタックスへブンへの貯金も、今イタリアにお金戻してくれたら5%だけ税金かけるけど、あとは罪に問わないからね♪って。。。その5%の分がかなりのウエイトをしめた2009年の税収入だったんだけど、5%でそんなに上がるのなら、いったいいくらのお金がイタリアに戻ってきたんでしょうかね。。。(汗)毎月の税金の支払いに四苦八苦のアブデルはこのニュースにキレテマシタ。そりゃ、そーよね。だってアブデルが税金滞納したら、すぐに差し押さえられるわけだから。。。イタリアでは小さな罪はがっちり罪にとわれますが、大きな罪になったらなぜかうやむやになります。そして税金といえば、2009年4月に大地震の被害を受けたアクイラ、昨日6月30日付で、税金および公共料金の支払い免除の期限が切れました。彼らには、たとえまだ崩壊したまま放棄され、復興がともなっていなくても、自分の家が住める状態ではなくても、アクイラで仕事が再開できず避難生活を強いられていても、全ての税金から公共料金が発生するそうです。これについては、アクイラ市内がまだ瓦礫の山である現状を加味して、免除の延長が検討されていますが、検討中なので、とりあえず今日から税金は発生するわけ。イタリア語ですが、アクイラの現状を書いたブログがありますのでぜひ読んで。こういうことがまったくメディアに出てこない現状がイタリアなのです。ま、口蹄疫での日本のマスメディアの対応もひどかったのだけれども、基本、やはり大きなメディアには検閲というか情報の操作がされているとどこかで分かっていたほうがいいとすごく感じるわけ。

そして昨日はローマを初めイタリア各地、そしてイギリスやパリでイタリアの報道規制の法律(ベッペ・グリッロは猿ぐつわの法律っていっています。)についてジャーナリスト協会が主催しての反対の大規模デモ集会が開かれました。9日にはジャーナリストのストがあります。実は日本でも同じような報道規制の法律が与党のごり押し多数決可決で、口蹄疫問題や、沖縄の基地問題の陰に隠れて通ってしまったんですけどね。(汗)イタリアでは最近とみに明るみになっている数々のマフィアと政府の癒着、またはG8をアクイラで開催するに当たっての贈収賄(バチカンにも飛び火)の捜査などが警察の盗聴をベースにしていて、しかもその盗聴した内容が新聞に明るみになり、スカイオラ経済発展相が辞任したのがこの5月。以前からでていた盗聴法の可決に向けての動きが加速したのもこのころ。地震のあったアクイラで金儲けができると目論んだ建設業界の一部と癒着している政治家との盗聴された会話が新聞に出て、それが政府の元の民間防衛機関のトップ、(このときはアクイラ復興の最高責任者)との会話も確かでてきたんじゃなかったかな?それで一大スキャンダルになり、この前のカンヌ映画祭に出品された「ドラクイラ」が生まれたわけ。

とにかく何が問題かというのは、現在進行中の刑事裁判について「全ての秘密が公然の前に明るみになっている場合のみ、その要約だけ記事にできる」けれども、「盗聴された内容については絶対明るみになってはいけない」というもの。そして「司法は75日間のみの盗聴を認められ、それをすぎたらテロやマフィアと直接関係するものでなければ三日おきに三日の延長申請をしなければいけない」くって、「ジャーナリストおよびシークレットサービスにおける会話の録音は禁止」されるなど、いろいろあるわけなのね。そしてこれは一般人のブロガーなども、いろいろ勝手に書くと罪をこうむる事になるって話。この法案がさっさと通ってたら、ドラクイラも世の中に出なかったし、何年か前にイタリアで出版されたイタリアのマフィア組織のひとつカモッラの話を書いた「ゴモッラ」も葬られていたに違いない、ということ。確かに垂れ流し情報や、暴露合戦、意味のない中傷などから守られる権利もあるのかもしれないけど、ここはイタリアです。ここんところのマフィアのボス軍団一斉逮捕や、それに伴う実業家といわれる人たちと政治家の贈収賄の証拠もすべて盗聴が決め手なわけだから、この法案が通ったら一大マフィア天国に戻るイタリア、ってなわけですよ。ベルルはイタリア国民全てが盗聴されるなんて、そんな民主主義にありえないことがまかり通るはずがない!と憤っていますが、司法はあたしの携帯電話までは盗聴する暇ないと思うのよね。っていうか、盗聴してもかまわないし。(爆)ちなみにあたしの携帯電話に選挙ときに「フォルツァ・イタリアに投票しろ」ってSMSを送ってきたのはあなたの政党なんですがね、ベルル。そんなにいうのなら、それも違法じゃないのか?

ちなみに10年間に15人でしたっけね、国営放送RAIのトップが替わっていて、最近のトップからの「国を批判するようなニュースはなしで」という度重なる要請に、RAI1の20時のニュースの顔だった女性アナウンサーは、新聞に内情を暴露してやめちゃいましたよね。今となってはあたしの周りのイタ人も、ニュースは新聞かネットで、っていいます。RAIだったらRAI3がかろうじて、らしいよ。

深刻な経済不況を打開するために政府が産業界に提示したManovra Finanziaria 2010。出したんだけど、一見パッと見た目には不況打開策をあげているこの法案、日本と同じく地方財政の圧迫が厳しいために反対の声が多く(特に公務員の給与凍結または減額と保健機関への財政援助の削減など)、法案の差し替えが論じられているんですけど、それよりも盗聴法をとにかく先に通したいベルル、あんまりあからさまなので、与党のほかの政党からもそっぽを向かれる始末。でもとりあえずManovraのほうが来週には上院で審議され、盗聴法はそのあと続けてすぐにでも通したいんだよね。。。これが通らなければかなりまずいことになるベルル&フレンズなのは目に見えてるもの。この盗聴法に反対している、最近与党内で力が強くなっているレーガのボッシの要求である連邦制はどんどん推し進められてるし(これで懐柔しようというかんじ?)同じ与党内でも力の弱くなってきている、唯一の与党の良識(爆)ANのフィーニは裏切り者よわばりされてるし。(苦笑)つーか、したっぱ公務員の給料をカットするなら、国会議員すべての給与を一年間半分カットしてもいいんじゃないか?それでかなりの財政はまかなえるし、半分くらいカットされても痛くも痒くもないはずですがね。ま、やつらは痛みを伴わないから、どーでもいいんです、きっと。そのうちイタリアは州制度になり、財政の格差から同じ国とは思えないような州ごとの格差がでてくるだろうし、下手したらほんとに分裂しちゃうかもよ。(汗)とりあえずこの盗聴法、法の番人でもあるナポリターノじーさん大統領がサインしなければ上院可決しても通らないんだけど、例のベルルがつかまらなくなるアルファーノ法のときは、あっさりサインしちゃったもんね。。。確か深夜に大統領邸に押しかけてサインを迫って、って感じじゃなかったっけ?だけどそれはその後違憲として憲法裁判所に却下されたんだけども。


とまあ、あちこち読めば憂いの残るイタリアの政治情報でございました。あとは皆さんご自分でぜひ続きを追ってみてくださいませ。
BEPPE GRILLOのブログとか、日本語版もあるから、変な日本語だけどおもしろいですよ。



posted by yossy at 01:14| ローマ | Comment(3) | イタリアで生きていくって | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
政治を考えると、ここイタリアって政府がマフィア組織と変わらない国だよね。
まさに小さな罪は大きく罰せられるけど、大きな罪は・・・・・はてなんだったでしょう?だもの。いやんなっちゃう。
貧乏人はいつまでも貧乏人だけど、金持ちはどんどん、私腹を肥やす。
数年前の左派が一時政権を握ったとき、自営業への税金負担も大きくなったし、だんだんまともに働こうと思うイタリア人がいなくなっていると思うよ。教育現場も荒れているし、教師自体が自分の生活もままならない状態なので、イタリア人特有のやつあたりがね、罪もない子供に向かっている例をよく見かけるんだけど、それで子供は晩強をする気力を失うし、馬鹿だけど先生に取りいりが上手いこ、親が権力があるこが卒業しやすいし。
先日ベルル、イタリア人のお財布には手をつけないとか言っていたけど、すでにローマに行くのに1ユーロ値上げがされるとかされないとか。ローマに働きに行くのに1ヶ月30ユーロほどの値上がりがあるのに、給料は上がらないしね・・・・。いったいどーなっているんでしょう。この国。
Posted by MIKA at 2010年07月02日 19:12
日本では理想化(キレイゴと:風景、食、文化)して
伝えられがちなイタリアの実際について、
分かりやすく多面的にに書いてあって、
(時には日本のことも客観的に書いてあって、)
ものすごーく考えさせられます。
パートナーから伝え聴くことが、ああ本当だったんだ、
とあらためて思えるのも有り難いです。
自分のブログはお気楽な日本暮らしの内容ですが、
こういう幅広い内容のブログを読むのが好きです... :-)
今後もいろいろ教えていただこうと思います。
前からちょこちょこお邪魔していたのですが、
今回のこの力作、どうしても一言お礼を言いたくて。
ではでは!
Posted by バル&私 at 2010年07月03日 19:52
>MIKAさま
税金の記事みたよ。。。ほんと信じられないよね。ベッペ・グリッロのブログ見たら、国会議員が職務兼任して給料倍とかもらってるのが横行している、なーんてことが書いてあったよね。(汗)結局国民への負担はこの何年かで急増しているのに、イタ人はそれでもベルルに反対しない。。。この前もデモとかしてたけど、やるのは金曜日。トスカーナ中からバスで来て、半日デモして、そのあとはみんな海に言ったんだろうと思うわけだよ。あははは。

>パル&私
いろいろあるんですよねー。だから日本にいる人や観光できている方に「イタリアに住んでるなんてステキ!いいですね!!!」って言われるとなんとも複雑。。。(苦笑)
ほんとうによーく記事を読んだら、この先のこと不安になりますよ。ただ、イタリア人のこの能天気さが、なんとなくなんとかなるんじゃないかって思っちゃいますけどね。





Posted by yossy at 2010年07月05日 21:12
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