2010年08月14日

鹿児島県長島町の赤潮の被害

ちょっと前の口蹄疫は、鹿児島はすんでのところで直接の害はまぬがれました。宮崎県の負った負債額は1400億円といいます。そして畜産農家の方たちは、保証がある→よかったね、というみんなの認識とは全然違っていて、ほぼ保証はないに等しく、新しく畜産業をはじめるにはまたイチから、莫大な借金をするしかない、ということを先日、ご両親がその被害で全頭処分された方から直接ききました。


そして、今日、たまたま見たブログに鹿児島県長島町での赤潮の被害についての記載があり、また愕然としてしまったの。地方のいち漁村の話だからなのか、まったくWEB新聞全国紙トップニュースにはならず。鹿児島南日本新聞では8月12日付のWEB新聞の一部記事にはなっていたようですけども。

八代海の赤潮は過去最大の被害といわれた昨年よりもひどいそうです。熊本県は9日、発令(6月25日)から約1カ月半ぶりに赤潮警報を解除、鹿児島県も2日に解除ということだったのですが、警報を解除したから事態が解決したのではなく、漁民の方たちは死んだ魚の処理に追われているそう。そしてその被害額は鹿児島県だけで37億円にあがっているのです。

長くなるので<続きを読む>のところをクリックしていただけたら、その被害の真っ只中にいらっしゃる方の日記を転載してあります。しかし魚というのも飼っているということがすっかり頭から抜けていました。養殖というのはそういうことなのですね。結局陸の上で家畜を飼育しているのと変わらないわけです。言われてみれば当たり前のことでも、知らないことが多い。
そして結局人が生きていく、魚やお肉、野菜を毎日おいしくいただける現状というのは、ほんとうの自然のサイクルからははみ出していることであり(養殖が赤潮の一因という人もいるから)、だけれど、そうやって人類は繁栄し、依存し、当たり前のようにそれを消費、浪費している。だからそこを批判することはできないわけです。自然界が温暖化も含めて、サイクルが変わる今、これから、根本から農業や漁業のありかたも変わらざる得ないようになるのかもしれない。当たり前のようにやってきたものが、そうじゃなくなるのかもしれないと思うと、自然の前に結局人というのは何もできないのだな、と感じたりもする。。。


こうやってご飯が毎日食べられるということは、実はそれに携わっている方の不断の努力と、自然のなせる業、奇跡のようなことだということは、日常生活の飽和状態のなかでみんな忘れてしまっている、のじゃないかな。あたしも含めて。安定したものを供給し続ける、品質を落とさない、そういうことを求める社会なわけです。でも自然を相手にしているわけだから、そういう一定性はほんとならありえない。その矛盾の中で社会が成り立ち、それを忘れているものね。


いずれにしても、県をふくめ、国の対応。。。まあ、それは期待しないでおいたほうがいいのかもしれないかな。。。
<矢子さんの日記 長島は今・・・>

今日仕事帰り、車の窓を開けて走っているとなんか臭う・・・

畑がある土地でもないのに肥料でもまいたのかと思うような匂いに窓をしめました。


家に帰りついた時、夕方の涼しい風が吹きました。

風に乗ってさっき感じた臭いが・・・


長島は今、去年に引き続き赤潮の発生で壊滅的な被害を受けています。


ニュースや新聞を見られた方から『大丈夫?』とよくお声かけいただきます。それと同時に『(口蹄疫のときみたいに)義捐金がもらえるんでしょ?』と言われることが多々あります。

そういった支援はないのです。

正確には、去年はなかったです。

このことについて何度も日記で書こうかと思いましたが、周りでそういう不満が上がらないのに声をだす勇気がなくて書けませんでした。
でも、今日、風に漂ってくる死魚の臭いにたまらなくなり、長島の、漁業従事者の今をみんなに伝えたい。


私も今まで、赤潮の発生は自然現象だし、漁業をするうえでその損害は負うべきリスクなのかと諦めていました。

しかし、今年宮崎で発生した口蹄疫問題。

去年の自分たちもこうだったと父も農家の方たちのニュースを見ながら涙していました。
手塩にかけて育てた牛や豚を全頭処分、一億近い損害を農家の方たちは負うことになり、ニュースを見た人たちや、有名芸能人からの寄付、政府が豚や牛を買い取るなどの救済策がとられました。

このニュースに対して、よかったね、と思う反面、政府もこんなに早く動けるんだ、どうして私たちが被害を受けた時に同じ対応をとってくれなかったのかと憤りを感じました。
今までしょうがないと思ってたからこそです。
口蹄疫が起こらなければおかしいと思うことすらなかったかもしれない。

低金利の貸付や減税などの救済策はとられましたが、低金利といっても借金です。魚が死んだらお金を稼ぐ手段がないのにさらに借金をかさねさせるのが救済策なのか??

牛や豚とは単価が違うと思われるかも知れませんが1家あたりの被害額は変わらなく感じました。
殺処分する豚や牛を国は買い取るのに、魚は無駄に死なせるだけなのかと悔しくて涙が出ました。

政府だけでなくメディアもこの問題を口蹄疫ほどとりあげないなとおもいました。
mixiニュースでも今年私が見かけたのは一つだけ。

日本全土に広まるかもしれない口蹄疫と一部の地域の人しか被害を受けない赤潮では仕方がないのでしょうか。


赤潮が発生してから漁業者で当番を決めて海の水を汲みに行きます。
その中のシャトネラプランクトンの数で赤潮の発生状況の情報をみんなで共有します。

風が吹けば、潮の流れが変わって自分の地域に流れてくるのでは・・・、雨が降ればなた山から流れた土や木で赤潮が悪化するのでは、まさに自然との闘いです。
プランクトンの活動を抑え、今以上の発生を抑えるために、海の塩分濃度をあげようと海に塩を撒きます。
海に塩をまく行為がどんなに気休めに感じますか?
大自然の海を相手にして私たちはこんなことしかできないのです。


赤潮発生時はプランクトンの餌にならないようにと、餌を食べることによって酸素の消費量が増え、プランクトンがエラにつまらないように餌をあげません。

今はひたすら死んでいく大量のブリを海から上げる毎日。
7月15日時点でブリ、カンパチ計38万90000匹。

大変な量です。
その大量の死骸をどこに処理するか。
処理しても湧き上がるガスで近隣の住民は窓も開けられないそうです。

風が吹けば死魚の臭いがするほど。


こんなに深く掘った穴が満杯です。

今でも魚は死に続けています。明日の朝、起きていけすに行ったら魚が全滅してるかも知れない、そんな毎日にみんな疲れ切っています。



先ほど書いたように今ブリたちは絶食状態。2〜3年物の大人ブリたちは耐えられても、今から商品として育てていく稚魚たちは餌を食べないと栄養失調で発育障害がおこり、尾ひれが曲がるなどの変形になり商品として出せなくなるという今後抱えていくリスクもあります。


今回の赤潮は去年、過去最悪の被害を出した赤潮のプランクトンの種子が残っていたことが原因とされています。

今年もこの大量発生。来年来るであろう被害が容易に想像が付きます。

いったいどれだけの漁業者がこの相次ぐ被害を耐え忍んで漁業を営み続けることができるのでしょうか。


過去200世帯の漁業者がいた長島。養殖ブリの出荷数日本一の看板が町にはあります。
こんな小さい町が日本一なんだと、父が育てているブリもその一端を担ってるんだと看板を見るたびにうれしかった。

しかし、今は相継ぐ赤潮での倒産、赤潮の被害からは生き残ったもののこれからを危惧して漁業をやめたりで4分の1の50世帯にまで減ってしまったそうです。

長島には農業もあります。
しかし、漁業者が減れば、魚の餌を作っている飼料会社も潰れます。海に出なくなるので造船関係の会社も危ないでしょう。船に乗らないということは船の燃料も必要ないわけでガソリンスタンドも売り上げが減るでしょう。
ブリが全滅した時のために保険もかけれますが、掛け金は高く、条件は厳しい。
保険だって毎年毎年全滅の被害を受けるこの町の漁業者に対していつまで保険を払い続けられるのか。


私たちも助けてほしい。

みんな漁業を続けたい。

今回の被害を受けてとても漁業が軽んじられているようで悲しくなりました。


言いたいこと、伝えたいことはたくさんあったはずなのに文章にするとうまくでてこなくて、ちゃんと伝えられたか不安です。

実際はここに書ききれないほどの苦労があると思います。



私は漁業とは関係のない仕事をしています。

でも、父を父の仕事を尊敬しています。

今回私が感じている不満は間違いなのかもしれない。
でも、ニュースにもならないし、こうして日記を書いて少しでも漁業について、赤潮の被害についてみんなが考える機会になればとおもいました。

ここまでの長い日記を読んでくださった方々、ありがとうございます




<矢子さんの日記 赤潮の被害について・・・追記>

以前赤潮の現状について日記を書かせていただきましたが、状況が変わったこと、ぶりの養殖について、赤潮についてもっとお話ししたいと思い追加で日記を書かせていただきます。

最初の日記です↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1547027074&owner_id=23739584

日記の転載にご協力いただいた皆様、励ましのメッセ―ジをくださった方々。
皆様のお心遣いにふれる度うれしくて、人と人のつながりが持つ力のすごさを感じ仕事中でも目頭が熱くなる思いです。

本当にありがとうございます。


さて、先日の日記に15日現在での死魚の数がブリ、カンパチ合わせて約39万匹とかきましたが、25日に上がった報告では144万匹に増えました。
毎日魚は死に続けていると書いていましたがたった10日。
たった10日で3倍以上に被害が広がったのです。


魚が全滅してしまった業者さんもいます。
うちの魚も9割しんでしまいました。

うちだけで推定被害総額は3億5千万。

全体の被害総額はまだ算定中とのことですがひどい数字になると思います。

去年の赤潮の被害が過去最悪と言われていましたが、残念ながらその記録を更新してしまったわけです。


うれしいことにうちの地域は少し落ち着き始めています。
事態がよくなったというより死ぬ魚がいなくなったので。。。

しかし、今日は雨。

赤潮の原因になるプランクトンの種子は水温が20度以上になると発芽し、害のあるプランクトンになります。

なので、雨が降ることで水温が下がっていいのですが、河川や山から栄養分を含んだ土が海に流れ込むため赤潮の悪化につながりかねないのです。

今年続いた大雨、鹿児島に台風が上陸しなくなったことなど、環境の変化が目に見えて分かるようになってきました。

迷惑な台風だけども、台風が来ないと海の水が混ざらないし、混ざらないとまた今年の赤潮の原因プランクトンの種子はこの海に留まることになります。

また、最近耳にするのがやはり諫早湾干拓事業のギロチンによる影響では?という意見です。

台風が来ないのも、大雨が続いたのも、海が汚れたのも、みんな私たち人間がしたことです。

みんなが壊した自然なのにその影響を受けるのは自然を相手にする職業の人だけ?


去年、今年、と続き、もうこの海は養殖業が出来る海ではなくなってしまったのかもと今日悲しくなりました。



ブリの養殖は、トカラ列島、甑島水域で生まれたブリの稚魚(もじゃこ)を買い取る、もしくは獲りに行くことから始まります。

さまざまな編み目のザルのようなものを使って小さすぎる稚魚は海に帰し、大きさごとでいけすを分けます。

商品として市場に出るのは2〜3年物の2.5〜3キロ代の物、3〜4年物の4〜5キロ代の物が主です。

ただ餌をあげて3年海につけるだけではなく、病気にかからないようにワクチンを打ったりもします。
海から魚を揚げて1匹づつ注射を打って海に戻す。うちも今年の6月くらいに何千匹というブリにワクチンを打ち病気の予防に努めました。

海水ですが水温管理や酸素量のチェックなどもします。

そうやって資金をかけ、やっと育てた魚が死んでしまったのです。


死魚の処理も決して楽な仕事ではなく、死魚を船にあげる際、死んだ鰤から流れ出る脂で滑りやすく足元を洗いながら作業します。
もし、脂で足を滑らせて海に落ちると、漁師さんたちが着ているビニール製の合羽は水圧で体に張りつき身動きがとれなくなり、長靴には水が入りどんどん動けないまま沈んでいってしまいます。
また、死魚を処理するところでは、量が多いため重機を用います。

多くの重機が行き来するためこちらも危険が伴います。

まだ、魚が生き残っている業者さんもいます。
しかし、まだこの赤潮は終息を見せていません。

今回も自力でしのげというのは国から死ねといわれてるも同然です。
一刻も早く行政が重い腰を上げるよう皆さんご協力をお願いいたします。

私の日記を転載、もしくはご自身でこの件に関して日記を書いていただき、少しでも多くの人の知るところとなるようお力を貸してください。

お願いします。




posted by yossy at 21:15| ローマ ☔| Comment(0) | 深夜のつぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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