2011年05月10日

美味しい物があるんですよ!

味噌つくりが終わり、鹿児島市内に戻ってきました。なんだか5月にはいるまで肌寒い日が続いていたのに、ここに来てぐぐーーーっと湿気が上昇。天気はあっという間に梅雨模様で、座っていてもじっとり汗のにじむモンスーン気候!(笑)ちなみにすっかり早起きのサスライ氏は一度起きるとそのまま二度寝できないというたちで、いつまでもダラダラと布団が友達のあたしとは対照的。で、彼はそのままウォーキングに行くわけですけどね。日本に戻ってきてから、というより、ベルコーレやめてからはや半年は過ぎ、運動不足と美味しい物食べすぎ(爆)でちょっと問題ありか!ということで、あたしもウォーキングにお付き合い。でもあたしがウォーキングに参加すると雨が降るんですけど。。。(汗)とりあえず1時間弱歩いたら汗びっしょりになりました。このまま店が始まるまではこの体制で行こうかと気持ちだけは準備中。(笑)

さて。今回の伊佐滞在の最後の日に、参加したある会。これは今、日本のたくさんの市町村で問題になっている鳥獣害による農作物や林業などへの多大な被害をどうするかということを、その原因である(特に)鹿・イノシシを中心にジビエ肉として市場に出すことで、一石二鳥を狙うプロジェクトなんです。日本に戻ってくるにあたって、イタリアで普通に冬場に食べるイノシシや鹿、それに鳩やウサギの肉ってどういうルートで出回っているんだろうというのが問題になってたんだけど、それがこのサスライ氏の故郷伊佐で一挙解決なわけなんです!伊佐市は国の補助で有害鳥獣食肉処理施設を整備してあり、猟師さんが捕ってきたこういう野生の動物を食肉に加工、降ろすことが可能なんですね。こういう自治体はまだまだ少なく、本当に先見の明のあるというか、がんばってるところなんです。そこで、猟を実際行われる方、加工の責任者の方、市の責任者の方などをお呼びして、伊佐のイノシシや鹿って、ほんとにこんなにおいしいんです!だからきちんとレストランで使えるようにしてもらったら、どんどん使います!お互い意見を出し合って、被害をうまく収入へ変えていきましょうとお話する機会だったわけなんです。


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が。
やっぱりなかなか難しいそうなのです。1つは猟をされる方が減少しているということ。以前の4分の一ほどに減ってしまったハンターの方(猟友会)たちのほとんどは中高年から上の方たち。そしてもちろん副業としてハンターをしています。狩の季節にハンティングをするだけでなく、市からの要請で有害鳥獣の駆除に当たるわけです。でも広い野山で狩をしてしとめても、70kgからなる鹿やイノシシを加工所まで所定時間内に持ってくるのはほんとうに大変であるということなのです。若い後継者はほとんどいないそうなんですね。そして先日、鹿児島でもありましたけど、銃による事件が多くなってきていて、規制がものすごいそうなんです。猟銃を持つための免許の更新も、これからわざわざ名古屋まで行って、実地(実際銃を撃つ)試験を受けなければ更新できないとか。なぜ名古屋かというと、九州には試験ができるような施設がないのだとか。。。そして農作物や森林被害は深刻ですけど、それは農林水産省の管轄。でも猟銃は銃刀法で規制されているので警察の管轄。
若い人がハンティングということに興味がない傾向になっている以外に、こういう法規制の問題で、新しくハンターになる人たちが面倒くさいとやめてしまうってことなんですね。その辺りのことは、ほんとに難しいわけだけど、行政で真剣に取り組んでいかないと、全国的な問題としてほんとうに自分たちの子供や孫のころは(すでに食料自給率むちゃ低いのに。。。)大変なことになるわけです。福島の原発みたいに、想定外でしたとか、今回の生肉加工の件のように、ものすごく大変なことになってから規制かけたりするのって、おかしいわけよ。つーか、こういうことをきちんと国へ陳情するために議員の方々がいらっしゃると訳でしょうから、ぜひ鹿児島の同じような問題を持っている自治体の方々でスクラム組んで、きちんと問題解決のために国へ働きかけていただきたいな、と思うんですよ。

北海道とかでもハンターが少なくなり、また若い世代は「殺すなんてかわいそー」なんて言ってるみたいですけど、そこそこハンティングしていかないと、最終的にはその動物たちも食べるものがなくなり、食物連鎖の弱い順に絶滅、強いものはしょうがないから町へ出没して、人間に害を及ぼすことになるわけです。アフリカのサバンナと違って、人間社会に隣接するかたちで生存している動物社会は自然の食物連鎖が機能していないこともあるわけだから。(たとえば国立公園ないではハンティングしてはダメ→霧島などでは鹿が10分の一まで減らさなければ自然が荒らされてしまって大問題になるというところまで来ています)

だってね、猟友会の人たちがいなくっても、たとえば自衛隊とか警察でなんとかするって思って、北海道で自衛隊を出しての大規模なハンティングがあったんだって。なんとヘリを何機か使って鹿を追い込み、一斉射撃したらしいけど、初日はゼロ頭、二日目に一頭だけ弾があたったのとか。。。(汗)という感じで実際のところやっぱり猟友会のベテランの方たちにはかなわないのが現状のよう。こういう世界って学校で習うわけじゃないからね。モザイクも同じだけど、伝統工芸の世界に通じるような、見て盗め、体験して学んでいく系。これって、今の若者はなかなかついていけない世界なのかもしれないですが。。。でも、そこを、全国に誇れるお肉に加工できるというところへ意識を持っていくことで、新たな雇用とか、新たな収入とか、何よりあたしたちにとっては、地元の新鮮な食材をお客様にきちんとしたルートで(ほら、今後食肉系はかなり厳しくなるはずだからねぇ。。。)提供できるってのは嬉しいわけですから。だって、野うさぎとかもいるわけだからね。うふっ!

そしてそのお肉へみんなの関心を、まず地元の方々から集めていただくために、普段食べているであろう焼肉や刺身状態ではない、食べやすいイタリア料理で、しかも臭みもなく柔らかいお肉なんですよ!ってのを食べていただいて、ご理解いただくってことで、前回と同じくミートソースにしたイノシシと鹿フィレをお出ししたって訳なんです。

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地元でも鹿やイノシシの肉ってのは、猟師さんが身近にいる方々が、お肉をもらって、家族で食べるってかんじなわけです。市場には出回っていないのね。だからお肉の調理方法も限られてるし、硬かったりするってので敬遠されたりするわけです。だからそれを、せっかく食用のお肉としてきちんと国から許可を得た施設があるわけだから、市場に出せるものを作り、そしてたとえば、今日は牛がないから代わりに鹿肉でハンバーグ♪なんてことになって、子供のころから食べる習慣ができたらいいんじゃないかってことなんですよね。実際このグループの方々で、いろいろと試作を重ね「お猪鹿(オイシカ)丼」や鹿猪棒(カッチョボウ)という新しいメニューを考えて、それを町おこしと重ねて伊佐市の食堂やレストランで出しているんです。鹿猪棒は鹿肉と猪肉で作った生ソーセージ。スパイシーな感じでとってもおいしかったんですよ。ってことは、生ハムやサラミだって可能性があるわけじゃやない?確かにイタリアとは気候風土が違いますから難しいとは思うけど、でもできないわけじゃないかもしれない。そういうのを、国や県、市として鳥獣被害への補填予算を組む代わりに、こういう形で投資、将来的に回収できるビジネスプランを作っていったらいいんじゃないかと、部外者は勝手に思っているわけなんです。(笑)

ちなみに昨年の伊佐市だけの森林被害額は3千万円。農作物の被害額はだいたい700万円くらいになるそうです。でもこの被害額だって、実際農家の方が届けた額でしょうから。。。この被害額をビジネスの元手にして、しかもきちんと肉が流通し、加工食品ができるようになれば、ほんとうに地域としても再生事業としてのいいモデルになるんですよねー。

まだまだ試行錯誤というか、これが今年の第一回会合で顔合わせだったので、今後またいろいろなご意見を各方面から吸い上げて、とりあえずできるだけ猟友会の皆さんがお肉をレストランに卸すということを念頭に、そういう形での処理をしていただき、それと同時に、食肉の加工やメニューに関する技術の向上などを地元の食に携わる人たちと一緒にレベルUPしていくことができたらいいなと思っているところ。でも猟師さんたちの生の声や、現状をうかがえたのはほんとによかった。こういうのって、ただお肉の加工とかメニューのことだけ力を入れてもダメなんだもんね。次は、伊佐市で家庭に眠ってる(絶対家にもらい物の鹿や猪の肉が冷凍されてるものなんです。笑)鹿・猪の肉でお料理教室してもらう予定♪企画があがったら告知しますねっ!



posted by yossy at 17:28| ローマ | Comment(2) | Che cosa c'e` di buono?(美味いものを探せ!) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素晴らしい取り組みだと思います!
法律や行政まで勉強していかなくてはならないのは大変なことだとは思いますが、とても有意義なことですよね。

私はいつも日本の鹿肉といえば、平安時代の物語を思い出します。出典が何かは思いだせないのですが、高校の古文で習った一節。良い家柄の妻を置きざりに浮気相手の里女のもとにいる主人公の男性が、遠くに鳴く鹿の声を聞き、なんて物悲しく美しい声だろうと歌を詠むと、その浮気相手は、「煮ても焼いてもうましやつぞかし」と答え、そこで男の恋心は冷めてしまうというおはなし。
そうそう、美味しいのよ!と私としては浮気相手の女性に賛同・・・。

房総半島でも確かイノシシの被害が多くて駆除したということを何年か前に聞いたと思います。知り合いがどうやって調理したらいいかなあと相談を持ちかけてきたことがあります。
私は最近、イタリアンらしい食べ方以外にも、大根やニンジンや昆布でお出汁をつかって細かく切ったイノシシや野ウサギを煮込んで、和風に食べることもおおいです。

お二人のご活躍、本当に本当に楽しみにしています!すごいなあ、本領発揮だなあ、といつもジュリアーノと楽しく読ませていただいてます。
Posted by mari at 2011年05月11日 17:52
日本の古典って、今になって読み直してみると男女の心の機微のすれ違いとか、結構ユーモアもあったりしておもしろいのよね。ほとに煮ても焼いてもおいしいのだもの。その点は男の人のほうがロマンチックなのか。(笑)この食のワークショップ、駆除対策をする行政、実際狩をする猟友会の方々、それを食肉に加工する人たち、そして料理人に食べる側(もしくはご家庭でお料理する人)など、様々な人たちがお互いの仕事の内容や状況を情報発信し、その中で文化の一つである食で地元を盛り上げていく、というより地元を発見していくことのお手伝いができたらいいなと思っているんですよ。たぶんね、ジュリアーノとか、鹿児島好きだろうなあって思うんですけどねー。(笑)
Posted by yossy at 2011年05月17日 11:46
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